「営業って、結局モノを売る仕事でしょ?」
――就活中の学生さんにとって、ここは大きな思い込みポイントです。
たしかに世の中には“売ること”が中心の仕事もあります。
でも福祉用具専門相談員は、ちょっと性質が違います。
扱うのは車いす、歩行器、手すり、特殊寝台、入浴補助具などの福祉用具。
けれど本当に提供しているのは“モノ”そのものではなく、「安全に暮らせる仕組み」と「自分でできる選択肢」です。 導入前は、家の間取りや段差、本人の動き方、家族の介助の状況を見て、何が危ないか、どこでつまずくかを整理します。
導入後は、実際に使ってみた反応を聞き、微調整して生活に馴染ませます。
つまり、福祉用具専門相談員は“提案して終わり”ではなく、“暮らしが回るまで伴走する”仕事。
この記事では、「モノを売るだけじゃない“人生を支える仕事”」の中身を、学生さんでも志望動機に落とし込めるように、カジュアルに、でも現場のリアルは外さずに解説します。
福祉用具専門相談員の仕事を一言でいうなら、「生活を整える人」です。
なぜなら、福祉用具は単体で完結しないから。
たとえば車いすが必要でも、家の玄関に段差が大きければ外に出られない。
廊下が狭ければ方向転換が難しい。
ベッドの高さが合わなければ立ち上がりが怖い。
こういう“環境の条件”が、使いやすさを決めます。
だから、現場ではまずアセスメント(状態と生活の確認)が中心になります。
本人の身体状況、できる動作・苦手な動作、生活の時間帯、家族の介助頻度、住宅の寸法、よく通る動線。
ここを押さえないまま「人気の用具」を出すのは、正直プロの仕事ではありません。
そして提案は、選択肢を並べるだけではなく、優先順位をつけて“無理のない形”に落とし込みます。
本人の希望と家族の現実がズレることもあります。
「見た目が嫌」「使うのが恥ずかしい」「家に置きたくない」みたいな感情も普通に出ます。
ここを否定せず、納得できる落としどころを一緒に探す。
これが、モノ売りではなく“人生を支える仕事”と言われる理由の一つです。
就活で大事なのは、「営業=売る」だけで判断しないこと。
福祉用具専門相談員は、提案職であり、生活設計の伴走者でもあります。
福祉用具の仕事が面白いのは、導入後の調整で成果がはっきり出ることです。
たとえば、同じ歩行器でも高さが数センチ違うだけで、歩きやすさや疲れ方が変わります。
ベッドの高さが合うだけで、立ち上がりの怖さが減ることもあります(効果は個人差があるので断定はしません)。
導入後にやるのは、使い方の説明だけではありません。
「家のどこに置くと邪魔にならないか」
「夜間のトイレ動線は安全か」
「家族が介助するならどこを持つと腰を痛めにくいか」
など、生活の中に落とし込む作業が中心です。
ここが地味だけど一番効く。
さらに言うと、福祉用具は“本人の気持ち”にも影響します。
できないことが増えると、人は外出を避けたり、挑戦をやめたりしやすい。
でも、道具と環境が整うと「自分でできる」が少し戻る。
その小さな自信が、生活全体の意欲につながることがあります(ここも断定ではなく、よく見られる傾向としての話です)。
学生さんが就活で使える言い方にすると、福祉用具専門相談員は「モノを届ける人」ではなく「生活を継続可能にする人」。
導入後のフォローまで含めて価値があるから、長期的に信頼される仕事です。
ここは大事なので、きれいごと抜きで言います。
福祉用具専門相談員の仕事には、倫理と責任が常にセットです。
なぜなら、提案のミスが事故につながり得るから。サイズが合わない、使い方が理解できていない、動線が危ない、固定が甘い。
こういう“小さなズレ”が転倒やケガのリスクになります。
だから現場は確認が多いし、書類も発生します。
制度やプランとの整合も必要です。
学生さんから見ると「意外と事務っぽい」と感じるかもしれません。
でも、この丁寧さが安全を作っています。
そして、売る側が強くなりすぎると危険な領域でもあります。
必要以上の用具を提案する、本人の気持ちを置き去りにする、生活に合わないものを押し込む――こうなると、短期的に数字が伸びても、信頼は失われます。
福祉用具専門相談員は“信頼産業”です。
本人・家族・ケアマネジャー・医療介護職の中で、「この人が言うなら安心」と思われることが一番の資産になります。
就活では、「人の役に立ちたい」だけだと弱くなりがちですが、「安全と尊厳を守るために、確認と調整を徹底する仕事だと理解している」と言えると一気に評価が上がります。
ここからは、志望動機づくりの実戦パートです。
「人生を支える」って言葉は強い反面、抽象的になりやすい。
だから面接では、具体に落とす必要があります。
おすすめは、次の3点セットで語ることです。
1)支える対象:本人だけじゃなく家族の生活も含む
2)支える方法:アセスメント→提案→導入→調整(伴走)
3)支える成果:安全・自立・継続(暮らしが回る)
この3点を入れると、ふわっとした言葉が“仕事理解”に変わります。
自己PRは、福祉経験がなくても作れます。
たとえばアルバイトで「相手の要望を聞き出して、選びやすい選択肢に整理して提案した」経験は、アセスメントと提案に近い。
サークルで「意見が割れたときに調整して決めた」経験は、連携力に近い。ゼミで「仮説→検証→改善」を回した経験は、導入後の調整に近い。
こうやって、自分の経験を“仕事の構造”に合わせるのがコツです。
最後に、短い例文を置きます。
・志望動機例:「福祉用具はモノを提供するだけでなく、生活を安全に整え、自立の選択肢を増やす仕事だと知りました。導入後も調整しながら暮らしに馴染ませる“伴走”に専門性と責任がある点に惹かれています。」
・自己PR例:「相手の状況を丁寧に聞き取り、情報を整理して提案に落とし込む力があります。
接客で培った観察とヒアリングを活かし、連携の多い現場で信頼を積み上げたいです。」
このレベルまで落とせると、面接での説得力が段違いになります。
向いている人の共通点は、「優しい人」より「丁寧に観察できる人」です。
生活を支える仕事は、相手の言葉だけでなく、動き方、表情、家の導線、家族の疲れ具合など、言外の情報を拾うことが多いからです。
次に、「正解が1つじゃない状況で、最適解を探せる人」。
福祉は条件が複雑で、理想通りにいかないこともあります。
そこで投げ出さず、現実的な落としどころを作れる人が強いです。
そして、学生のうちに伸ばしやすいのは「記録・整理・伝える力」。
これは資格の勉強とも相性がいいです。
用具の種類や特徴を覚えるだけでなく、なぜそれを選ぶのかを説明できるようになると、現場で一気に役立ちます。
「モノを売るだけじゃない“人生を支える仕事”」は、言い換えると「小さな安全と自立を積み上げて、暮らしを続けられるようにする仕事」。
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